マンスリーコラム

決算!忠臣蔵

多くの会社が就業規則を作成する際の参考とする「モデル就業規則」が2018年1月の厚労省のガイドライン変更に伴い改定され、今まで「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」といった内容が削除され、68条に「労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる」といった内容が新たに追加されました。

情報漏洩リスクや労務管理上の問題から、すぐに副業・兼業が広まらないでしょうが、少子高齢化、AI化に伴うワークシェアリングの必要性などを踏まえると今後は増えていくと考えられます。

 

時は318年前の赤穂藩は5万石で、加賀藩前田家の103万石、薩摩藩島津家の73万石の大名家からすると下位の藩の一つでした。そんな小藩で取り潰しになったにもかかわらず、筆頭家老の大石内蔵助は京都祇園の中でも最も由緒のある「お茶屋」のひとつで一力茶屋で再々豪遊したと伝えられています。またその資金の出所は清算後に残った藩の資金ではなく、個人資産で支払ったのではと推測されています。

恐らく、赤穂藩には元禄当時にはすでに良質な塩田が整備され、そこからの運上金が潤沢にあり、筆頭家老で財政を仕切る大石内蔵助にも副収入が入ってきていたものと推測されます。

 

放映中の「決算! 忠臣蔵」においても、大石内蔵助は、幼馴染の勘定方・矢頭長助の力を借りひたすら残務整理に励みます。宿敵・吉良邸への討ち入りに際して使える予算が現在価値で9,500万円というもの。生活費や食費、家賃、江戸までの往復旅費、討ち入り時の武具購入代金。それを仕切っていく大石内蔵助を描いたものです。最後にはすべて藩の資金は使い切り、以後は自腹を使って部下にも手渡していたようで、自身の財布は結構余裕があった様子です。それが討ち入りの成功に導いたものでしょう。

 

まもなく12月14日の討ち入り日を迎えますが、大石内蔵助にならい、老後生活においても余裕のある晩節を迎えたいものです。しかし、それにしても映画での関西弁はかなり違和感感じますね。「でーしょん」を理解する人は思わず「で~よんで」と叫ぶはずです。