マンスリーコラム

ベーシックインカム

ベーシックインカム

2020.10.21

インカムとは、キャバクラで黒服のお兄さんが付けているイヤホン付きマイクではなく、夫婦二人の収入がある場合に使われるダブルインカムの方のインカムで「incom」収入の意味です。インカムゲインとして使われる場合は「資産を保有している間に得られる利益」のことで、株式や債券、投資信託、不動産などの「配当金」や「株主優待」が該当します。株式取引で得られる利益はキャピタルゲインで、「資産を売却することで得られる利益」のことです。

菅総理に替わり、なぜかベーシックインカムが議論されてきています。未曾有のコロナ禍で失業する人が増えてきて、生活保護を受給する人が増えてきたのも背景にあるかもしれません。ベーシックインカムとは、政府が、財産や所得、そして勤労の有無等と関係なく、無条件ですべての国民に生活に最低限必要な現金を支給する政策です。先般全国民に支給された「10万円の定額給付金」が毎月支給されるイメージです。

ベーシックインカムは、フィンランド、カナダ、オランダ等で一部の人や地域を対象に実験的に実施されたことはあるものの、まだ本格的に導入した国はありません。
2016年には、スイスで、ベーシックインカムの導入案をめぐって国民投票が行われましたが、導入案は否決されました。財源を含めた具体的な内容が決まっていないこと、既存の豊かな福祉制度を失うことに対する不安や、海外からの移民増加に対する懸念が高まったこと等が、反対の大きな理由です。

導入を提唱する竹中平蔵氏は、「マイナンバーカードと銀行口座をひも付けることを条件にを導入したらどうか」「国民全員に毎月7万円支給」と提案しています。現在においては、生活保障は、「生活保護」や「年金」などの社会保障に委ねられていますが、社会保障は、所得が増えるとその分給付が減らされるという性質があるため、一度生活保護を受給してしまうと、そこから抜け出すことが難しいという問題があります。また、個別に給付の要件を満たすか審査が必要になるため、莫大な行政コストがかかっています。
生活保護については、生活保護を受給することに負い目を感じ、生活が苦しくても給付を受けない人も多くいると言われています。保護されるべき人の内、約3割しか生活保護を受けていないとも言われており、ごく一部の悪用する人を除いて大多数は清貧な日本人で敷居の高さや手続き面にも問題があるのでしょう。

ベーシックインカム支給によって膨大な行政のコストが削減できることが大きなメリットで、公平さを保てるとの主張もありますが、預金とマイナンバーの結び付けにより個人資産や収入の全てが国に丸わかりになり掌握されてしまうというデメリットがあります。

「規制緩和」「既得権益打破」と言いながら「規制強化」「新既得権益醸成」にならないように菅総理にはブレーンの任命をきちんとしていただきたいです。