マンスリーコラム
引退後のスポーツ選手のその後
2020年プロ野球日本シリーズはコロナ禍で開催が危惧されていたものの11月21日から11月25日まで開催され福岡ソフトバンクホークス圧勝に終わりました。パリーグ優位と言われていたもののジャイアンツでこの様なら、セントラルリーグ2位の阪神が対戦していたら、毎試合コールドゲームになっていたのかもしれません。
その阪神タイガースは昨年の生え抜きの鳥谷(39歳)に続き、今年は藤川(40歳)の引退、能見(41歳)、福留(43歳)等が戦力外通告されました。引退試合・セレモニーで有終の美を飾った藤川(推定年年俸2億円)は別として、能見(同9,500万円)、福留(同1.3億円)、上本(34歳)(同4,800万円)等は何の会見されずの退団は、プロ野球選手の宿命とはいえ寂しく感じます。
プロ野球の平均引退年齢は29歳で、NPB選手の平均年俸は約995万円(中央値600万円)と言われ、予想以上に短命で一部で億単位での年俸を稼ぐ選手もいながら、低い収入に甘んじている選手が多いのが実情です。ちみみに色々と苦しんでいる藤波晋太郎(26歳)は推定年俸6,300万円です。
億単位の年俸を稼ぐビッグネームであれば、引退後はコーチや監督、スポーツ新聞、放送局の解説者のポストがありそうですが、1000万円前後の選手の場合自分で道を切り開いて行かなくてはなりません。一般的には飲食店を開業する場合が多いのですが、開業資金も必要であり、必ず成功するとは限りません。
そこで近年、アスリートとしてのキャリアの後にセカンドキャリアを考えるのではなく、選手として活躍中から自分の人生としてのキャリアを考えようという「デュアルキャリア」の重要性が言われています。日本の競技者の場合「競技者にのみ集中していればいい、他の事は考えるな」という観念が強いのも主因ですが、ダルビシュ有、本田圭佑のように本業以外でも収入を得る選手もでてきています。
これはアスリートに限らず、会社勤めであれば在職中から、自分の趣味や副業で情報収集や資金を集め起業するといったケースも同じで、「デュアルキャリア」はすべて人にとってライフプランニングのキャリア形成の考え方として取り組む手法です。
身に置き換えてみますと、日々研鑽して、山歩きに出向いていますが、100切り前後ではキャリア形成にほど遠く、キャリアといえるのはトシを積み重ねてきたことだけで、結果を残せてきたアスリートは羨ましいかぎりです。