マンスリーコラム

次の新リーダーは結果を出せるか

8月の末に安倍総理が辞任の意向を表明されました。第一次安倍内閣後から続いた短期政権の反動か7年8ケ月もの長期政権で歴代1位となりました。

その功罪は色々とあるとは思いますが、「結果を出せなくなった」ので辞任する安倍政権は果たして結果を出してきたのでしょうか?勝手に判断してみます。

 

まず日本の株価を見てみますと、就任時の日経平均株価は10,000円前後で、2020年9月現在の株価は23,000円前後です。日本株価だけをみると、2.3倍になり黒田バズーカやアベノミクスは成功と見られます。しかし、日本の株価はほぼアメリカ株式に連動しており、コロナ後の株価回復もアメリカの最高値更新につられたものといえ、金融緩和やGPIFの資金投資がどこまで効果があったのかはかなり疑問符がつきます。

 

経済面から見ますと、コロナ直前まで大企業は収益を内部留保し続け、中小企業は生産性が依然あがらず現状維持。コロナに直面している今、内部留保がある企業は余裕でしょうが、コロナ融資を受ける企業は実際の返済が始まる時期から存続が厳しくなることが確実視されます。要因は安倍政権発足時から産業構造が変わらず、企業数の多い中小企業が効率化されないことが大きな要因です。経済産業省の官僚はもっと安倍総理の意向を忖度してIT化や電子マネー化を進めるとか中小零細企業の合併・廃業を進めるなどの策を講ずべきでした。

 

国民一人一人の懐具合はどうでしょうか。給与は基本給の上昇や、最低賃金の引き上げはあったものの全体としては恐らくここ30年給与水準はほぼ変わっていません。2%の物価目標を目指した安倍政権ですが、到底インフレにはならず相変わらず消費者物価は下降気味のデフレが続き、逆に公共料金や年金・社会保険料や消費税増税により可処分所得は少なくなってきているというのが実感ではないでしょうか。

 

「政治は結果」の採点は何点かと問われれば100点満点で70点位でしょうか。カケモリや花見で足を引っ張られましたが、トランプ大統領ともスクラッチ(多分)でゴルフされ韓国には毅然と対峙された外交は今までの日本の総理にはない実績といえます。次の総理候補はどうみても又日本風なリーダーになりそうです。いっそ安倍晋三さんには2~3ケ月休養されて体調を回復いただき、その間はアッキー夫人を総理代行にされてもよかったのではと思います。